1.開会のあいさつ
大阪介護支援専門員協会大正支部 藤山信子 福祉部長
2.ケアマネレベルアップ講座
テーマ:ケアマネージャーに気を付けてもらいたい口腔内のポイント
講師:あさの歯科医院 浅埜正人先生
3.質疑応答
要介護高齢者における口腔健康管理についてスライドを用いて説明していただきました。
口腔内の汚染は誤嚥性肺炎など全身状態の悪化につながります。
口腔内に問題があってもセルフケアでできることは限られてくるので、専門的な口腔ケアが必要となります。
現在、誤嚥性肺炎は死亡原因の3位となっています。
一昔前までは、病院経営に影響することもあり、病院から歯科がなくなる傾向にありましたが、近年では入院日数の短縮を掲げている病院が多く、歯科口腔ケアが入ると入院日数が短縮できるということがエビデンスとしてあがってきていることもあり、病院側の動きとして、近年歯科の開設が増えてきています。大正病院も今年から歯科が開設されています。
大正区の一部の老健施設では、入所前に大阪歯科大学でレントゲンをとるということが確立している施設もあります。
レントゲンで状態を知ることで今後の治療計画を立てることができます。
口腔ケアの必要として医師がまず1番に考えるのは唾液を出させるという機能です。
唾液量の減少が原因により食べられなくなっている人もおり、保湿ジェルを塗布するだけで改善される例もありました。
高齢者の中には自分の状態については詳しく話さないことも多く、痛くなったり何か問題が起こってから行けば良いと考え
ている方が多いです。
口腔状態について日々の関わりから観察や声掛けで、「必要に応じて歯科受診をしてみましょう」等提案して、
利用者にも意識づけしていくことが大切です。
しっかりと時間をかけて磨いている人でも口腔内の60%程度しか磨けていないというデータがあります。
口腔内に何か起こる前の状態確認が大切です。要介護者で歯科治療が必要な方が64.3%といわれています。
一方で実際に歯科治療を受ける人は過去1年以内に2.4%程度という現状があります。
現在の高齢者として20本以上歯が残っている方が多いですが、それゆえのトラブルが多い事もふまえ、歯科衛生士が居宅訪問して指導する事で、患者の日々の口腔ケアにアプローチができます。
また、1~2か月に1度、歯科診療所でクリーニングを行う事が、口腔トラブルの防止に繋がります。
大正区歯科医師会では大正区在宅歯科ケアステーションを開設しています。
ケアマネジャーの皆さんからのご相談もお受けできます。ぜひ活用して下さい。
口腔内をみることは少ないと思いますが、口腔ケアの必要性を理解し、チェックポイントを理解していてもらうと助かります。
参加したケアマネジャーからは、口腔ケアの重要性を再認識できました。
実際口腔ケアなどについてあとまわしになってしまうことが多いのが現状としてあります。
しかし、口腔内の問題は全身状態の問題として捉えていくことが大事と感じました。
現在の状態を把握したり、管理していくという考え方を利用者さんにどう伝えていくかということを考えていきたいです。
と感想が聞かれました。
レベルアップ講座参加後のアンケートでは、講演内容について理解することができ、今後の関わりに役立てることができそ
うですという意見が
みられました。
大正区在宅医療・介護連携相談支援室では、今後も大正区歯科医師会と協力し、在宅医療の普及に努めていきます。