第13回 在宅医療推進情報交換会を開催いたしました
令和4年6月15日
 

第13回大正区在宅医療推進情報交換会は、新型コロナウイルス感染症の懸念もあり、ハイブリッド形式を取らせていただきました。

大正区在宅医療・介護連携相談支援室からは、在宅医療についてのアンケート・訪問看護ステーション看取りなど受け入れについてのアンケート結果の報告を行いました。

済生会泉尾病院からは、病院の状況とコロナ入院状況及び検査・治療についてご報告いただきました。
令和2年度に比べ、令和3年度では、紹介患者数の増加がみられました。
病院のトピックスとして、耳鼻科と小児科に常勤の医師が赴任されることとなりました。
入院の受け入れ対応もしておりますので、ご相談やご紹介いただきますようよろしくお願いします。
また、令和3年度に地域医療支援病院となりました。かかりつけ医からの紹介を増やしてもらえるように努力します。
かかりつけ医をお探しの方のご相談については、相談案内窓口として、かじゅまるサポート入退院調整の看護師が対応しております。
また、6月1日から無料送迎バスの運行がスタートしています。北ルートと南ルートで開始しましたので、ご利用ください。
コロナ入院状況、検査治療について、6波で入院が決定したすべての入院患者様にPCR検査を行ってきた結果 陽性件数が非常に多くみられました。
外来入院別PCR陽性率では、5波に比べ6波ではどちらも高い陽性率がみられていました。
6波は治療薬の投与もあったためか、重症化は少ない結果となりました。
引き続き感染対策を継続していきます。
面会禁止の現状や、高齢で独居の方、ご家族の介護力の低下などの状況から、退院調整が難しいという例がありました。
今後は少しずつ対面でのカンファレンスでご家族ともお会いできればと考えています。
また、対応先を外来の時点で検討していけるように、外来看護師とも話をして進めていきます。
退院調整に訪問看護師や訪問リハビリの参加を推進したり、退院後の生活を見据えて、早い段階で外来での介護申請などの支援を進めていきます。

 

大正病院
病院の状況についてご報告いただきました。
2月22日より院内歯科を開始しました。外来診療は予約制で行っているため、病院の方へ連絡願います。
また、入院患者に対するせん妄対策チームの準備をしています。
認知症の患者はせん妄症状が起こるので、部署横断的な対策チームを考えています。
院内トピックとして、入院患者の面会制限の部分解除を行いました。
平日の14~16時の2時間限定で解除し、10~15分の面会時間を予定し、評価をしていきたいと考えています。
発熱外来受診者数について、1~2月は非常に多く、受診者数がほぼ陽性というような時期もみられていましたが徐々に受診者数は減っています。

ほくとクリニック病院
病院の状況についてご報告いただきました。
医師が1人退職し、さわ病院から新しく医師が就任しました。
また、認知症疾患医療センターの専門外来の予約は最短で7月4日となっています。
予約してから2週間以内に検査できるように調整を行っておりますが、お待たせする状況が発生しております。
別で枠を増やすなど検討中です。お急ぎの時は認知症疾患医療センターまでお問い合わせください。
コロナ入院状況及び検査治療状況については、基本的には精神科の方でコロナ陽性であれば、さわへ転院という体制をとっています。
スタッフのマスクやゴーグルの着用、オンライン面会の継続、外来患者の検温の徹底やマスク着用依頼などをして感染予防を継続中です。
発熱者の方はまずは内科受診をお願いします。
現在、感染予防の為入院中に外出、外泊はすすめていません。
外の刺激への反応や、ストレスのかかり方などを確認できないまま退院となることが多く、退院後に症状が不安定になってしまい、再入院となるケースが以前より多くみられています。
ほぼ満床に近い状況が続いており、入院希望時は早めに受診・ご相談いただけますと幸いです。
採血などで内科疾患を評価し、器質性疾患を除外後にご紹介いただけますと入院がスムーズです。

多根総合病院
病院の状況をご報告いただきました。
発熱外来もあり、内科の紹介の増加がみられていました。
循環器内科も増加がみられており、これは医師の増員が要因であると考えられます。
2021年はコロナ関連の救急搬送もありましたが、一般の診療の方の受け入れも大きく変わりなく対応できました。
また、内科と救急科に新しい医師が着任しました。前副院長は、介護老人保健施設てんぽーざん施設長へ異動となりました。
そして、訪問看護ステーションと多根居宅介護支援事業所が今年4月から総合病院の中の事務所スペースに移動しました。
コロナ入院状況及び検査、治療状況については、大阪府内の軽症中等症患者と当院の軽症中等症患者については同じような推移をたどっていました。
6月に入ってからは徐々に落ち着いてきている状況です。
コロナによって、まだまだ面談など制約があるところが多いので、転院の希望が叶わないことも多い状況です。
職員側も濃厚接触者とならないよう、カンファレンスの時間を短縮するなど調整しております。

区内の診療所からご報告いただきました。
在宅療養中の患者が徐々に減少傾向であると感じています。
家族の介護力の低下もあり、最期まで自宅で看る患者さんが減っている印象です。
現在はコロナの影響もあり、ご家族が入院しても面会制限で会えない状況があり、そのまま施設へ転院となった場合、そこでも面会制限があるというような状況です。
在宅療養についてお問い合わせいただければ、対応させていただきます。

 

訪問看護ステーションからご報告いただきました。
コロナの影響で入院時は面会が十分にできないという環境があり、家で最期を迎えたいという方もおり、看取りの件数が増えていたような状況でした。
独居で身内のいない方もいましたが、友人がキーパーソンとなり、本人の意向確認してくださっていた例もありました。
現在コロナ患者の減少も見られており、ヘルパーの研修や、地域の健康相談なども開始していきたいと考えています。

質疑
本庄医師:診療所・訪問看護ステーションのアンケートは病院で活用していただいていますか?
また、他に欲しい情報などはありますか?
泉尾病院:看護部の方で看護課長からみんなに配布して退院支援で利用しています。

平居院長:当院の若い医師は、在宅の研修はあったとしても、これまでの経験からも在宅医療を実感として感じられないのではないかと思います。
終末期にある方をどう送り出すべきかなどの教育も必要です。
本庄医師:現在診療所で患者さんと実際に関わった上でわかってきたこともたくさんあります。
在宅医から何か説明できる場があれば良いと考えています。
平居院長:コロナもあるので症例検討会はまだ難しいと思いますが、また何かあれば教えていただきたいです。よろしくお願いします。

樫原会長講評
定期的に病院の状況を知ることや、こうして対面で話し合うこと、在宅医や訪問看護ステーションの状況をきめ細やかに情報交換できるのは非常に重要な事であると考えています。
在宅医療を継続させる為にも継続していきます。どうぞよろしくお願いします。

今後も病院・診療所の連携、医療・介護の連携の推進をはかるため、在宅医療推進情報交換会を開催してまいります。

大正区在宅医療・介護連携相談支援室 川上 加寿沙