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マイナンバー制度への対応を考える
2015/09/18
2015年9月15日大阪保険医新聞掲載記事(一部編集)
マイナンバーとは個人を識別するための12桁の番号であり、実印に等しい重要な物です。
2016年1月から施行開始予定のマイナンバー制度には以下3つの問題点があります。
1つは事業主の負担の問題です。一度個人番号を収集すれば、事業主は「特定個人情報取扱者」として、安全管理措置等の大きな事務負担や設備投資を負担し、漏洩した際には重い罰則などが科せられますが、導入に際して国からは一切の補助金や導入支援はありません。
2つめは情報漏洩対策が不充分なことです。総務省から指示された情報漏洩対策が、1~2割の自治体で実施できておらず、情報漏洩対策が不十分な状態で制度運営がなされようとしています。さらに政府のIT戦力本部の資料では個人番号カードにクレジットカードやポイントカードの機能を搭載する案も出されており、民間企業への個人番号の利用開放は国民の個人情報の漏洩リスク高めることになります。
3つめは個人番号が患者負担増のツールになる可能性があることです。政府は今回の法改正で2017年に健康保険証の機能を個人番号に持たせるとしています。この計画が施行されると、特定健診受診結果、通院歴、病歴、本人や家族の医療費と言った指標で健康保険料や自己負担割合を増減させることが考えられます。
当面の対応
10月に番号が通知され、2016年1月から制度が開始されるマイナンバー制度ですが、すぐに番号の収集が求められるわけではありません。現段階ではマイナンバーの記載が必要となる書類やマイナンバーの収集対象者の洗い出し、規定の見直しや担当者の確定、収集スケジュール等対処方法を検討すれば充分でしょう。現在の従業員及びその扶養親族の個人番号は2017年分の年末調整の書類を配布する際に基本事項を説明し、収集するのが現実的な対応でしょう。
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